健康保険の基礎知識②

現在の日本の医療保険制度は、下図のようにすべての国民が何らかの公的医療保険に加入し、お互いの医療費を支えあう「国民皆保険制度」です。

制度の確立からすでに50年以上も経過し、今では国民誰もが、保険証1枚でどの医療機関にもかかれるのは当然のことだと思われています。しかし、海外に目を向けると必ずしもそうではありません。先進国の中でも民間保険中心の制度もありますし、無保険の国民を多く抱える国も存在します。日本の医療保険制度に対する評価は高く、世界トップクラスの長寿国になり、乳児死亡率などの健康指標も首位を占めています。2000年には世界保健機関(WHO)から日本の医療保険制度は総合点で世界一と評価されました。日本の国民皆ホ保険制度は世界に誇れる制度なのです。

現在、働いている人が病院の窓口で支払う金額はかかった医療費の3割。残りの7割は皆さんと事業主が納める健康保険料から支払われています。給与明細に書かれている「健康保険料」の支払先は、皆さんが加入する「健保組合」などの医療保険者になります。皆さんと事業主から納めていただく健康保険料は医療費の支払いや、皆さんの健康の保持・維持のため保険事業、高齢者の医療費を支えるための拠出金などに使用されています。

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しかしながら日本の国民医療費の総額は毎年1兆円を超えるペースで増え続けており、現在の仕組みのままでは、国民皆保険制度を支えることが難しくなってきている現状です。高齢化や医療技術の発達によって、医療費が年々増え続けるなか、将来も国民皆保険制度を維持していくには、負担の仕組みを超高齢社会にあった制度に変える必要があるとともに、私たち一人ひとりが健康への意識を高め、医療費を節約していくことが重要です。

 

 

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